スクウィークを迎えに米国のアイオア州へ行った帰り
のことです。空港でトランジットの為に2時間くらい
待ち時間がありました。
スクを膝に乗せ座っていると男性がニコニコ笑顔で
話しかけてきました。
「犬と旅行?いいねぇ~ は~と」
自分が日本人で、スクを連れて帰るのだと伝えると
「日本は犬が高いんだってね」
おぉ~~~!(@@;
よくご存知で!!!
自分が初めて生で見たアメリカ チャンピヨンは今でしたら
「フォード エスケープ リミテッド」が買えます。(^◇^;
犬の値段などあってないようなものでございましょう。
親犬が高額であれば、交配料も高くなり、よって子犬の
お値段もしかりでございます。
日本では犬を繁殖して売るとお金儲けになる場合もある
ようですが、英米ではドッグ ショウへの出陳料や医療費
などは日本のそれと大差が無いにも関わらずお値段は
かなりお安くなります。費用のことを申し上げるのならば
「儲け」どころか「持ち出し」です。
日本ではブリーダーを職業と捉える人が多いようですが、
英米ではあくまでも「趣味」であって、それで生計を
たてるという考えは無いようです。
初めてアイオア州のソロンへ遊びに行った時、町に一件の
ペット ショップがあるのを見かけました。自分は一度も
足を踏み入れたことは無いとルーアンは苦虫を噛み潰した
ような表情でこたえました。
英国から来日した某ブリーダーさんと車で山梨方面へ
旅行に出かけた時のことです。運転をされていた人は
お子さんの体調管理の為に都会で働くことを諦め
空気の良い田舎で半分自給自足のような生活をされて
いました。この日もある方に頼まれてドラバー兼
案内人の仕事をしていました。英語も堪能な方で助手席
に座っていた英国人との会話も弾んでおりました。
ところが、彼が生まれたパピヨンの子犬を売り、それが
収入の一部であると言葉にしてから空気が一変しました。
その英国人の態度が明らかに違ったことに気がついた自分
は内心ハラハラし通しでした。
英国(米国もしかり)において生体の売買で生計をたてる
ということは軽蔑に値する
勿論その英国人も犬を譲る時にお金を受け取っています。
しかしそれは金額の多少にはあまり関係がないように
思います。
意識の違い
それにつきると思います。
自分はスクをロティキ犬舎から譲って貰いました。
買ったのではありません。
(譲って貰った)感謝を表す為にいくらかのお礼を渡しました。
お金を払ったのではありません。
犬を飼う人がいます。
犬と暮らす人がいます。
犬にエサをあげる人がいます。
犬に食事をあげる人がいます。
犬畜生と言う人がいます。
うちの子と言う人がいます。
意識の違いは価値観の違いにもなるのだろうと思います。
ここは日本で、自分は日本人です。
例え自分がどのような気持ちでパピヨンを繁殖しても子犬と
引き換えにお金を受け取るじゃないかと。それは商売だと。
ここ(日本)でブリーダーである限り、そうのように見られる
のだと。日本で情熱を持ったブリーダーであり続ける事は
自分には困難な事だと思いました。
それでは無料で譲ればいいじゃないかと思われるかもしれ
ませんが、個人的には賛成いたしかねます。
何故なら無料だと粗末に扱う人もいるからです。
勿論シェルターから消えてしまう運命だった命を救って
生涯愛してくださる方も沢山おられます。でも、貴方は
100円ショップで購入した物が壊れたら、修理して
使いますか?????○○万もするプランド品だったら
どうでしょうか?
その犬の価値を支払ったお金で判断する人もいるのです。
ブリーダーは自分から望んでこの世に生を受けたわけでは
ない子犬の将来に責任があります。それ相応の代償を払っても
その子犬を欲しいと思ってくださるか否かという事がより良い
里親であると判断する基準の一つ(あくまでも一つですが)でも
あると自分は思います。
もしブリーダーならば、自分が手塩にかけた子犬により高い
代償を払ってでも欲しいと言われたとしたら、素直に嬉しい
です。自分を認めて頂けたように思うからかもしれません。
譲るか譲らないかは別として。
その子がこの世に誕生するまでの過程。ブリーダーの努力と
知恵と経験と愛情と情熱とプライドと。それら目に見えない
全てのものに敬意と感謝を表し、その気持ちを形として表す
手段が「お金」になります。スクウィークを譲って貰う時に
自分はそんな気持ちでおりました。
普通は値切るのに・・・・どうやってより多くのお礼を
貰ってもらおうかと頭を悩ませる人なんて初めてだわ
と笑われました。
お金はあって邪魔なものではありません。
1万円より10万円を出してくれる人に譲りたいと思ったと
しても・・・そうであろうとも思います。
日本と米国での犬に支払う金額の格差を考えた時。
お金の為に日本に送ったと、ほんの少しでも譲る側の心に
負い目ができないように。本当に頭を悩ませて苦肉の策を
労しました。本当の所はどうだったのだろうと今でも疑問
には思いますが、そんな気持ちをルーアンは察してくれた
ように感じました。
スクを連れてくる時に彼女に約束した事のひとつ。
いつかスクに会いたいと思った時に日本に来てください。
費用は自分が全て負担します。
日本に戻ってから毎月積み立てを初めました。
5年経ってやっと目標の金額になりました。
って事で、次回に続く・・・・・
スポンサーサイト
今はパピヨン以外のブリーダーさんと接する機会があるので
余計にそう思うかな。
詳しくは書けないが・・・
会いに来てくれたら嬉しいですね♪