3番目の「初」は我がスクウィークでございます。
彼女が来日するまでについては
「スクウィーク物語」に書かせて頂いておりますので、そちらをお読み
頂ければとおもいます。
お話はスクが生まれる百万光年くらい(えっ?)前に
遡ります。←本気にしないよ~に(^◇^;
その頃自分はパピヨンを手元におくことができません
でした。それどころかドッグ ショウを観に海外に
ワープする事もできず、国内のショウにさえ顔を出す
事は希でした。まだ繁殖にバリバリ意欲があり「トリトン
ファミリィ犬舎」の繁殖犬で世界征服を狙っていた頃(笑)
でしたので、同じ時期にこの世界に飛び込んだ友人&知人が
自分を取り残してドンドン先に行ってしまうようでとても
悲しかったのです。
そんな状況の中、ある日目から鱗が落ちるように視界がパッ!
と開けたのです。「やりたい事」ができない時は「やれる事」
をやれば良いんだという事。それに気がついたのです。そして
自分ができる事の中から次を選んでそれを遂行する事に
決めました。
1.アメリカ パピヨン クラブの会員であり続けること。
2.英米の友人達と連絡をとり続けること。
3.海外からパピヨンの資料(書籍やビデオなど)を取り寄せて、
血統の研究をすること。
(3)についてはかなりの時間とお金を費やしました。
英国や米国のクラブの発行する写真集を取り寄せて、スタン
ダード(その犬種の理想とする姿が文字で表記されているもの)
と血統を勉強したのです。
具体的には、気に入った犬がいる場合、その犬の両親の名前を
書き出し、その両親犬を繁殖した犬舎のページに飛びます。
そこにその犬の父または母犬の写真をみつける事ができた場合、
そのまた両親(最初の犬の祖父母犬)の名前を書きだし、
その犬を繁殖した犬舎のページに飛ぶ。ややこしぃですが、
これの繰り返しで気に入った犬の3代、5代、7代前までの
犬の名前をチェックするのです。どのような交配でその犬が誕生
したのかを調べることになります。
写真集がその主な情報源で、お目当ての犬の名前が必ず記載
されているとは限らなかったので、各クラブが在庫として
抱えているバック ナンバーや個人がお持ちの物をお願いして
譲って頂くという方法で調べまくったでございます。
「あれ!?この犬の名前はどこかで見た記憶がある・・・
えっとぉ~ どれだっけ?」と床に広げた資料から掘り起こし、
ビデオを回して、一つずつ空欄に犬の名前を埋めてゆく。
ピースが何処にあるのか探しながらパズルを組み立てていく
ように一つずつ空欄を埋めてゆくじみぃ~な作業でしたが、
これが楽しくて仕方ありませんでした。
それでも、あちこち虫食い算のようにポッカリと穴が
空きます。その穴をうめるぞぉ~と奮起する。
それがまた楽しかったのです。
暇があればず~~~~~っと写真集を観ておりました。
子供にあめ玉、Megにはパピヨンの写真集←与えると大人しい
その後、個人が纏めた歴代アメリカ チャンピヨンの血統書集
が発売になったので、それを取り寄せ眺めてはニヤニヤ(←あぶなぃ)
しておりました。
お陰様で「黄金のBIS(*) ライン」をは~けん ←勝手に命名
アメリカでは周知の事実だったであろう事も日本人の自分
には「アメリカ大陸発見」くらいのインパクトでございました。
そして、どうしてもこのラインの血を引くパピヨンが欲しい
と思うようになったのです。
(*)BIS = BEST IN SHOW
その展覧会(ドッグ ショウ)の全出陳犬の最高位
この頃、既に心はガンガンに米国のパピヨンに傾いておりまして、
ロティキ犬舎がお気に入りでございました。そしてロティキは
黄金のBIS ラインから派生した素晴らしい牝のラインを持って
いたのです。
10頭以上のチャンピヨンの母犬に与えられる称号
DAM OF DISTINCTION
それは素晴らしい遺伝力の証明でもあります。
4代に渡ってこの称号を与えられたラインの最後に記されて
いたのが Am. Ch.(*1) Loteki Good Fortune (愛称:グッディ)
スクウィークの母犬になります。
(*1) Am. Ch. = American Champion(米国 チャンピヨン)
そして世界で最も有名なパピヨン
Am. Ch Loteki Supernaturalbeing (愛称:カービー)
もこのラインから誕生しました。
話が逸れましたが、
こうして血統書に夢中になっているうちに時は過ぎ、再び
パピヨンを手にする日がやってきました。
宝物のように大事なパピヨン、スクウィーク。
彼女が検疫を終えたその日、自宅には日本人のブリーダーさん
からお祝いの電報やゴージャスな花束が届けられました。
そのうちのお一人にこんな事を言われたことがあります。
「自分は10年間一生懸命良いパピヨンを繁殖しようと
努力をしてきた。(あなたはその努力をしていないのに)
ここにこの犬(スクウィーク)がいる。不公平だよね」
繁殖は母犬の犬質や血統が良ければより良い子犬が生まれる
確立が高いといわれています。たとえば父犬が同じであれば
母犬の優劣が子犬の質に影響を与える確率が高いのです。
苦労して繁殖をしてきたわけでもない自分が優秀な母犬(候補)
を手にできたというのは、なんとも悔しい思いだったのでしょう。
「確かに自分は繁殖をするという苦労はしていません。
でも、この犬を手にするまでにあなたとは違う努力を
してきました。ですから、自分の10年があなたのそれに
劣るとは決して思っておりませんよ」と
暫く考え込まれておられましたが、そうですね・・・・
と笑顔のお返事を頂けたのがとても嬉しかったです。
そして、この時気付いた事がありました。
自分のやりたい事ができなかった時、置いてけぼりにされる
ような感情であふれていて、皆がとても羨ましいと感じた
時期がありました。そんな自分が時を経て、いつの間にか
羨ましがられる立場に立っていたという事に。驚きでした。
世界的に有名な米国のパピヨン犬舎、ロティキ犬舎。
その犬舎から初めて海を渡ったのが
Am. Ch. Loteki Good For Her
わたくしのスクウィークです。
彼女は自分のパピヨン人生の総決算ともいえるのだと
思います。彼女を手元におけるという事のバック グランド
に過去の自分のすべてが詰まっているのです。ですから、
愛すべき四足の家族というだけでない特別な想いも抱かざる
おえません。
そのスクウィークも今年13歳になりました。
ぱぁと ふぉ~に続く
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いよいよスクウィークちゃん登場ですね(^^)
登場シーンでちょっと込み上げるものがありました・・・。
正直に打ち明けると、私は血統書に対してネガティブなイメージを持っていました。
我が家に雑種犬がいたせいか、血筋で動物を選ぶことに抵抗がありました。
でも、Megさんは違うなって思ったんです。
パートスリーでは色々教えていただきました。
パピヨン界のことやそこに情熱をかける人は生半可な気持ちではないこと。
そして根底には動物に対する深い愛情があるということ。
私、Megさんの文章を読んでいるといつも一生懸命で愛情に溢れていると感じます。
今は宝物のスクちゃんが心配でお辛い時もあるかもしれませんが、
Megさんが元気で幸せでいてくださることを祈っております。
パートフォーが楽しみだ~♪